文明社会は太陽エネルギーに支えられている


我々人類は日々の生活の中で、常にエネルギーを消費している。たとえば、自動車などの乗り物で移動し、化石燃料を消費しながら通勤や移動を行っている。また、食料品をスーパーやコンビニで購入した食料品を摂取することで生命維持に不可欠なカロリーを得ている。さらに家庭では照明や暖房機器などの家電製品を使用することで、電気を消費している。

このように人類は文明社会を維持するうえで、様々な形でエネルギーを消費している。しかし、これらのエネルギーは一体どこから来ているのだろうか?車を動かすガソリンは化石燃料である原油から精製されるし、生命活動に必要なカロリーは米などの穀物や、肉・魚といった生物から摂取する。また、家庭や産業に必要な電気は火力発電所や水力発電所、原子力発電所から来ている。

実はこれらの人類が消費しているエネルギーは、原子力発電や地熱発電を除き、すべて太陽から届いたエネルギーが元になっているのだ。日常生活を送っているだけでは、なかなか気付きにくい事実ではあるが、太陽エネルギーが姿を変えて蓄積されたものである。



人類はどのように太陽エネルギーを利用しているか、まずは食品から考えてみることにする。どんな人間でも毎日何かしらの食料を摂取し、生命活動に必要不可欠なカロリーを身体に取り入れる。日本人は主食として米やパンを食べ、主菜として肉や魚を、副菜としてサラダなどを食べている。米や麦や野菜などの植物は、光合成によって太陽からのエネルギーを炭水化物などの栄養素に変換され、調理を行うことで人間が栄養として摂取している。



実は牛や魚といった動物も同様に究極的に言えば太陽エネルギーが由来なのである。牛は草食動物であるから、光合成によって成長した草を食べ肉を蓄える。魚についても、植物性プランクトンが光合成によって太陽からのエネルギーを蓄え成長、その植物性プランクトンを動物性プランクトンが食べ、さらにそれを食べる魚がいるという食物連鎖によって、太陽エネルギーが大型魚へと引き継がれるのである。



このように様々な食品は太陽エネルギーが光合成によって植物に蓄えらえることで、動植物の食物連鎖が形成されているのである。人間はこれらの食物から栄養を摂取し、体温調節や手足の運動、脳による思考活動のエネルギー源として利用している。

次に電力を考えてみよう。人類は生産活動や各家庭において電力を利用しているが、これらの電力は火力発電所や水力発電所、原子力発電所にて発電され、各家庭や企業に供給されている。火力発電所では石油や天然ガスなどの化石燃料が利用され、水力発電所では水流が生み出す運動エネルギーが利用され、原子力発電所では核燃料の核分裂反応が利用されている。

実はこれらの発電所で使われているエネルギー源もまた、原子力発電を除き太陽エネルギーが由来なのである。例えば化石燃料であるが、これは太古の昔に活動していた動植物の死骸が地中に堆積されて形成されたものである。つまり化石燃料も元々は食物のように、光合成が作り出す食物連鎖によって活動していた動植物であったのだ。

そして、水流の運動エネルギーを利用する水力発電についても、太陽エネルギーが由来と言えるのである。山頂に降り注ぐ雨は、太陽が海水を蒸発させ、水蒸気が雲となり山にぶつかる事で発生する。山頂に降り注ぐ雨は位置エネルギーを持っており、雨が流れる事で運動エネルギーを生み出す。雨は一箇所に集まり河川となり、水力発電所はこの流れを利用して電力を生み出すのである。
 


このように、私たち人類は文明生活において、化石燃料や動植物といった様々な形で保存された太陽エネルギーを利用している。日本(天照大神)やエジプト(太陽神ラー)のみならず、世界各国で崇拝と対象となるのも不思議ではない。



また、人類は植物に蓄えられた太陽エネルギーを薪や炭という形で利用してきた。太古の昔から調理や暖を取るために樹木を燃料として利用してきたが、樹木を燃やしている時には、樹木に蓄積された太陽エネルギーが発散されているのである。



さらに太陽エネルギーの変化は生命の活動領域にも影響を与える。例えば過去に発生した隕石の衝突や気候変動は、太陽が生命に与えるエネルギー量を変化させ、生態系の変化や大量絶滅が発生した。ホモ・サピエンスがアフリカから分散したきっかけも気候変動であり、縄文時代の日本においては、大型動物を狩猟する生活から小型動物や木の実を摂取す食生活への変化を強いられた。

空を見上げれば当たり前のように存在している太陽だが、我々人類は太陽のおかげで生命活動を維持できる。何気ない日常の中で、植物や食卓を眺め、太陽に想いを馳せるのも面白いかもしれない。

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